【岡山県笠岡市】瀬戸内の自然とグルメを楽しむワーケーション

東京から新幹線と在来線を乗り継いで、岡山県の南西に位置する笠岡市へ。

笠岡は、室町時代に町づくりが始まり、江戸時代には門前町として栄えた歴史のある町です。白石島を始めとする大小30余りの島々からなる「笠岡諸島」は、瀬戸内海国立公園に指定されています。

地元の方との触れ合いを通して、また訪れたいと思える場所を見つけることができました。

シェアアトリエ 海の校舎

笠岡駅からタクシーで約20分。笠岡市大島にある「シェアアトリエ 海の校舎」は、150年の歴史ある小学校をリノベーションしたシェアアトリエです。さまざまなクリエイターが集まり、教室の中で制作活動に打ち込んでいます。

校庭の片隅には飼育小屋があり、元気な山羊のつくる君が出迎えてくれました。

趣のある校舎を活かしてミュージックビデオの撮影が行われたり、コンサートやクラフトマルシェが催されたり、地域内外の方たちのコミュニケーションスペースの役割も担っています。

今回はその一画にある、海の見えるコワーキングスペース(元音楽教室)を借りて、仕事をさせてもらいました。

置かれていたのは、子どもの頃に使っていたのとそっくりな、少し低めの机と硬めの椅子。今の自分には少しサイズが合わないけれど、懐かしさがこみ上げてきました。目の前には大きな黒板があって、自然に「ちゃんとやらなきゃ」という気持ちになり、仕事に集中することができました。

ポルカドット

地元の方々で運営されている「ポルカドット」は笠岡駅近くの笠岡商店街にあります。事前に予約をしておき、スタッフの人に解錠してもらって中へ。一階と二階それぞれに作業スペースがあり、自由に利用できました。

二階は広々とした和室で、ローテーブルが並びます。友達の家に遊びに来たような、アットホームな雰囲気です。

今回の滞在では、一階のスペースを利用させてもらいました。Wi-Fiやコンセントなど、パソコン作業に必要なものは用意があるので安心です。

お昼ご飯は、ポルカドットから少し歩いたところにある行列のできる人気の笠岡ラーメン店「中華そばいではら」がおすすめです。鶏だけで出汁を取った昔ながらの美味しい中華そばが味わえます。

白石島


瀬戸内海に浮かぶ白石島へは、笠岡の住吉乗り場から定期船で30分ほど。

住吉乗り場の券売機付近には、近くの島々の紹介や、航路の案内があります。島の飲食店は限られているので、営業時期や定休日などの情報はあらかじめこちらで確認しておくと良いでしょう。

券売機で白石島行きのチケットを買い、定期船「つむぎ」に乗船。船内には大きなリュックを背負った旅行客らしき人もいれば、スーツ姿の人、買い物袋を持った人の姿もあり、船が生活と観光のちょうど真ん中を行き来しているのを感じます。

窓の外にはいくつもの島が見え、旅の気分が次第に高まっていきます。およそ35分かけて、瀬戸内海に浮かぶ白石島に到着しました。

静かな海辺は、夏になると海水浴客やリゾートバイトの若者たちで賑わうそう。

島内で数少ない飲食店「海の家さんちゃん」も、この海沿いにあります。夕暮れ時に仕事終わりのビールを飲んでいると、「白石島には仕事で来たの?」と話しかけてくださって、島の方との交流が自然に始まりました。こういう地元の方との交流が、ワーケーションの醍醐味の一つだなと思います。

白石島にはコンビニやスーパーマーケットなど、普段私たちの身近にあるはずのものがありません。その代わりに海があり、山々があり、ここでしか過ごせない時間があります。島内の方と一緒に島を巡りましたが、すれ違えば自然に皆さん挨拶を交わす様子が、都会ではなかなか見かけない光景で印象的でした。

菜食茶店KUa

白石島の港からのんびりと歩くこと数分。静かな通り沿いに、木の看板が目印のカフェ「Kua」があります。扉を開けて中に入ると、ふわっとコーヒーのいい香りが漂います。

少しお腹が空いていたので、コーヒーとマフィンを2種類注文しました。(もしランチを注文したいなら、事前の予約が必要です。)

木の温もりを感じさせる店内では、旅行客と地元の方が思い思いに時間を過ごせます。地元のパンフレットや観光情報などもあったので、コーヒーを飲みながら、この後の予定をゆっくり考えるのもいいかもしれません。

カウンター席には電源があり、パソコンを開いて少し作業をするのにもぴったりの場所でした。

白石島ハイキング

ワーケーション滞在の最終日は仕事も休みだったので、ガイドの天野さんと一緒に、朝から白石島のハイキングに出かけました。

初心者でも登れるようなルートなので、歩きやすい靴、飲み物、軽食、帽子や雨具などを用意しておけば、特別な装備は不要です。

国の天然記念物に指定される「鎧岩」や、チェーンを握りしめながら登る巨岩「大玉岩」、絶景を眺めながら一休みできる「高山展望台」など、約2〜3時間のトレッキングの中で見所はいくつもあります。

天候に恵まれず、残念ながら期待していた瀬戸内海の絶景を見ることはできませんでしたが、次回のお楽しみに取っておきたいと思います。

開龍寺

開龍寺「奥之院」は、弘法大師が唐の国から帰国する際に白石島に立ち寄り、修行を行なったと伝えられています。花コウ岩の大きな石の下にお堂があり、地震で崩れたりしないのか心配になりますが、1743年に作られて以来、崩れることなく現存しています。

不動岩では、岩の窪みに額を当ててお願い事をすると願いが叶うと言われています。

白石島国際交流ヴィラ

宿泊した「白石島国際交流ヴィラ」は、住宅街の坂を少し上った先にあります。館内には広々とした共用スペースがあり、大きな窓からは瀬戸内海が一望できます。ソファに座ってただ海を眺めているだけでも、時間がゆっくりと流れていくのを感じます。

共用のキッチンスペースには、電子レンジや電気ケトルが用意されているので、簡単な食事の用意は可能です。
飲食店や自動販売機が付近になく、夜道では野生動物が出ることもあるそうなので、必要なものは事前に買っておくと安心です。私は白石島行きの船に乗る前に、朝食のパンと飲み物、ビスケットなどを買っておきました。

部屋はとてもシンプルで、テレビもなく、トイレやバスルームは共用。星空を眺めつつ夜は早く寝て、窓から差し込む光で起きるという、島ならではのゆっくりとした滞在ができました。

さいごに

笠岡では、駅近くのコワーキングスペースや海の見える教室、白石島のカフェや宿など、さまざまな場所を移動しながらワーケーションをすることができました。短い滞在の中ではありましたが、場所を変えることで、気分がリセットされ、仕事に集中することが出来たと思います。

今回私はいくつかの施設を巡りましたが、どういう環境が合うかは人それぞれなので、どっしり腰を据えて一か所に滞在するのもいいと思います。